短歌集第2作

 

1. 道沿いの明るき店に人々は憩いてその口頻りに動く

2. 目の前を車激しく行き交うに側に立ちたる木々は静けし

3. 閉まりたるお店の上に闇の空我を覆える遥かなること

4. 建物の明るき光見ればなお道に並べる木々は寂しき

5. 大きなる建物囲む光ども見れば見るほど富の大きさ

6. 風吹けば少しばかりに旗は揺れ寂しき道に人の声する

7. 人なくて弱き光にこの道は照らされながら犬の声あり

8. 遠くにて建物光る眺めつつ側を去りゆく人は静けし

9. 歩けるに寒けき風は身を過ぎて明るき道も人一人なし

10. 坂道を登り去りゆく人たちは道の灯りに照らされており

11. 道に照る灯りを見ればひたすらに闇夜の空の月は明るし

12. 風吹けば身寒けきに道すがら側を過ぎゆく車ありけり

13. 凍りたる白けき雪の光れるはお店の灯り明るきにより

14. 風吹けば破れたる旗揺らめきて道の暗がり人影のあり

15. 先にありしお店は既に消えたるに夜空の月はやがて明るし

16. 大きなる学びや見れば灯りあり明日になりせばまた賑わわん

17. 道歩くうつむきがちの女あり脇行く車音立てて過

18. 枯れ木見て大空を見て脇見れば朗らかなれる人の塊

19. 寂しげに灯り照り出す道歩き遠くの空に雲は浮かべり

20. お店にて明るき光照りたるは枯れ木の枝も鮮やかに見ゆ

21. 仕事終え人影のなき建物に寂しき灯り照り続けたり

22. 店先の明るき光我らへと襲いかかれる冬の夜の道

23. 枯れ木立つ道の脇には落ち葉ありて風なき冬の夜は更けゆく

24. 見渡せば人影もなき荒れ地にて風なきままに枯れ木立ちたり

25. 大空の闇夜の雲は遥けきにどこぞと人の声ぞ聞こゆる

26. 遠くにて並び並べる建物の灯りの数に富を感ぜり

27. 道端に萌え出づる草ありたれば風もなきまま日こそ照りたれ

28. 背中にて日を浴びたればぬくき中赤き葉の木は風に揺れたり

29. 歩けるに静けき墓に日は照れば青き空にて薄く月あり

30. 家々の庭に立ちたる木は揺れて春の風かなうららかな日よ

31. 見上げれば空に浮かべる雲ありて眺めておるに風は吹き過ぎ

32. 振り向けば明るく光る建物に道の車の音ぞ響きし

33. 見上ぐるに光りつつ飛ぶ物ありて星なき空の暗さ深きに

34. よき風に身を晒しつつ行きたれば軽い装いしたる人々

35. 人ふたり楽しげなる顔して去れば道の灯りは静けくも照る

36. 大きなる道行き交うは車にて去りたる後に風少し吹く

37. 睦まじきふたりの人を見て去れば見渡す限り空晴れにけり

38. 商いの店連なりて明るきに道行く人の歩み優しき

39. 花見れば夜麗しく思われて優しき風の道で我笑む

40. 走る人疾く去りゆけば灯り照る道に花々美しく咲き

41. 遠くにて建物光る見ていれば遥かなる空星々のあり

42. 暗き道人影ありて見渡せば優しき風に木の葉揺れたり

43. 乗り物の素早く去れば暗き空雲はなくとも星は見えけり

44. 歩けるに明るき店は人ありて宴の声に包まれており

45. 見渡せば駅の近くを並びたる灯りに木々の葉は見えにけり

46. 家々の光見えたる道行くに柔らかに風身を過ぎにけり

47. 川辺にて闇なる木々の間より明るく光る建物は見ゆ

48. 道沿いに店の灯りを見ればなお春も寂しさいや増しにけり

49. 春の空暗く広きに星なくも地なる我ぞよただ眺めける

50. 道行くに夕餉の匂い嗅ぎければ働く人は事に励みて

51. 春風に晒されながら茂りたる草の匂いは辺り覆える

52. 静かなる灯りの下で橋渡り川の流れの音ぞ寂しき

53. 目の前を並び迫れる建物のその数々の光強けき

54. 脇の道車の去れる音聞けば広場の灯り照りて消えざる

55. 建物の硬き感じがしておれば緑なる木々我を癒せり

56. 詠いつつ駅の近くを歩いたるその最中にも柔らかな風

57. 星見ては夜空の下の木立にて優しき風は青葉揺らせり

58. 脇見れば家の灯りはただ照りて車行き交う道は騒がし

59. 親子たち帰りの道を朗らかに行き過ぎるをぞ我は待ちたる

60. 学びやの前なる地にて吹き抜ける優しき風は我を撫でたり

61. すぐ前を人は歩いて過ぎ行けば吹くそよ風に木々や応える

62. 脇の道いくたりか人去り行けば後ろの家の灯りただ照る

63. 声するに店の宴を見て去れば道の車の音ぞ響きし

64. 働きてただ働きて日は暮れば飯のうまきを我もよく知る

65. 捨てられし袋は道を転がりて彼方に消えて知る人ぞなき

66. 光りたる長き乗り物音出して去り行く後は空の暗闇

67. 店先の強き光は目を刺すに闇なる空に雲たなびき

68. 座れるに木の間より漏る灯りにて夜に寂しき影は映りて

69. 建物に明るき光見えたれば道行く人の軽やかに去る

70. 花多き道歩きつつ人々の行き交うにしも笑い声あり

71. ただ広き闇夜の空に星一つありて静けき光放てり

72. 道走る車の数の多ければ人々の声消えがちになり

73. 一人にて宵の口なる道行けば優しき風は頬を過ぎたり

74. 商いは人なきにしも続きたり一つ買わんとして見入りたり

75. 逝きし者を語れる声は尽きずして春の夜の夢我は浸れり

76. 花咲くに闇夜の椅子は人なくて静けき灯りただに照りたり

77. どこからか猫の鳴き声聞こゆるに車は去りて人は消えゆく

78. 家よりぞ人の声して賑やかにさらに車は音立てて過ぐ

79. 脇道を行けばお店は明るくて宴の声ぞ嬉しげにして

80. 家見れば直しつつある中でしも空の暗きは常ながらなり

81. 建物の青き光の寂しかる気のして歩く春の夜の道

82. 暗き夜に静けき墓は佇める後ろに光放つ建物

83. 前を行く男と女去りゆくに夜の車ぞ常なりにける

84. 店並ぶ道明るくて人通る静けき中に犬の声する

85. 暗き夜に雲たなびきける空にしも光る建物見渡されけり

86. 止まりたる車に人はなきにしも灯りぞ照りて眺め開ける

87. 見渡せば光る建物いくたりも富を誇りて立ち並びける

88. 家を出て遠く眺めて乗り物の脇過ぎたればやがて音消ゆ

89. 風吹きて草揺れ動く音すれば車のありて光眩しき

90. 若き人群れて駅へと向かいたるその道を吹く風は優しき

91. 道沿いに並べる灯り眺めれば暗き夏の夜どこか悲しき

92. 暗き店人けはなくてただあるにどこぞの虫の柔らかき声

93. 柔らかく話をしつつ人々は家へと帰り風の静けさ

94. 空見れば月の明かりに照らされてあまたの人ぞかくも静けき

95. 道沿いを優しき風にさらされて行けば悲しも月は明るし

96. 家々は優しき灯り放てるに道行く車忙しげに去る

97. 遠くにて明るき中をとく動き技を競いて楽しめる者あり

98. 虫の音の聞こゆる静けき道端で飲み物飲んで甘き食べたる

99. 犬連れて前を通りて去りゆくに風なき道は虫の音に満つ

100. 夏の夜にあまたの人が道通り明るき店はまだし明るし

101. 道沿いの灯りに照らされ木々あるにほどよき風は我ら撫でたり

102. 駅前のお店の脇を過ぎたれば優しき調べ流れ消えゆく

103. 酒盛りに人の気持ちは上がれるぞ夏の夜の風吹きて優しき

104. 道端の花咲きたるを見ればなお仮の世に住む命はかなし

105. 錆びれたる店に人なし見ればなお寂しき気持ち我のみでなし

106. 働きて暮らし支えて生きたれば町の灯りと人あるぞよき

107. 暗き道犬連れ歩く人あるにどこぞの子やら跳ねて騒げり

108. 虫の音の聞こえてうれし人々は明るき道をゆるり去りゆく

109. 駅前に商いしたる店よりぞ楽しき灯り漏れて明るき

110. 夏の夜に響き渡れる乗り物の音の中にて駅の明るさ

111. 駅前の店の窓より見えたるは夕餉食べたる後ろ姿ぞ

112. 若き人声を上げつつ集まるに脇を過ぐるは微かなる風

113. 車あり通りすがりの人あるに駅のお店の灯り遍し

114. 道沿いの木の葉揺らせるそよ風に人は歩きて身をば任せり

115. 夏の夜の楽しき時を過ごしたるこれぞはかなき仮の世の夢

116. 生きたれば病に伏せて滅びるになおぞ一夜の夢を追いたる

117. 疾く走る車は既に去りゆけば夏の夜に照る朧月見る

118. 芭蕉翁枯野に夢を駆るならば我は町にて骨を埋めん

119. 白き花朝の小道にただ咲けばせわしき虫に囲まれていて

120. 梅雨空に鳥は飛びゆき消えたれば朝の野原の花は静けし

121. 風あれば青々したる草原の優しく揺れて虫の音に満ち

122. 群れなして北の方へと鳥去れば空覆いたる厚き雲見ゆ

123. 空見るに光りたるもの過ぎゆけば雲の一筋静けくもあり

124. 道沿いに店こそ灯り放ちけれ脇を過ぎゆく人はどこぞへ

125. 明るけき駅の広場を過ぎたれば暗がりの道人はまばらぞ

126. 駅前を小高きよりぞ眺めれば迫る建物富の大きさ

127. 虫の音の聞こゆる中を歩きたり明るき道に出れば人あり

128. 暗がりの道より駅に出てみればまばゆきばかり灯りそこらに

129. 店見れば宴の声ぞ盛んなる道に咲く花闇にうつくし

130. 見上げれば闇の空にてただ一つ星の光りて寂しかりけり

131. 夕闇の空にたなびく薄雲ぞ星ただ一つ黄にて光れる

132. 空見ればただならぬ雲迫り来て稲妻光る刹那なれども

133. 若き人駅へと向かい群れなして話の種は尽きぬけらしも

134. 夕闇に風は優しく吹きたれば道行く人のよきに匂へり

135. 白き花咲きたる道に仮の世の命はかなき我は立ちけり

136. まっすぐに道に並べる灯りこそ照りて消えざれ世の常なれど

137. 駅前に花の数々咲き乱れ子供は店に胸張りて入る

138. 夕餉とる店の人々後にして道を進めば虫の音のする

139. 夏の夜に宴の中で働けば声こだまする店は忙し

140. 駅前を離れていけば橋よりぞ静けき町は眺められける

141. 橋にいて眠れる町の上見るに雲たなびける暗き空なり

142. 遠くにて光放てる建物に人の暮らしは詰まっておらん

143. 若き人暗き夜にも盛んなる話交わして帰りゆくなり

144. そよ風に旗の揺らめき見て取れば大いなる空雲は静けし

145. 若人は笑い声上げ去りゆけばそよ風吹きて木の葉揺らめく

146. 家ありて窓の灯りに暮らしをば感じられつつ雲は遥けし

147. 戦いを忘れざるらむ若き人走り走りて汗や光れる

148. 真夜中の宴は人の憩いならん彼らの顔は生きておるなり

149. 強き風木の葉揺らして去る人の闇夜の中へ消えてゆくなり

150. 暗き道一人の人が去りゆくにやがてかすみて闇に消えたり

151. 木の花の闇夜の中に浮かびたり風は吹きてぞただに揺れける

152. いつ見ても富を誇れる建物は聳えてただに光り続ける

153. 橋よりぞ静けき川を見ていれば鳥飛び立ちて空に去りける

154. 建物の灯りに照らされ青き草夜の河辺に浮かび上がれり

155. 闇夜にて一人の大人遊べども道行く人は気にせずに去る

156. 古き家哀れに灯り照らされて寂しく夜を過ごすけらしも

157. 闇夜にて咲き誇りたる花々を優しき風はしばし揺すれり

158. 駅よりぞ帰りゆく人見ていれば灯り優しく我ら照らせる

159. 若き人群れをなしつつ道行けば楽しき夜は彼ら待つらむ

160. 虫の音に誘なわれつつ道行けば草花茂る原は広がる

161. よきほどにそよ風受けて見渡せば暗き町にて灯りかすかに

162. 傘差して雨音聞こゆる通りにて人はまばらに虫の音のする

163. 駅前の明るき店は人惹かんとすれども人は通り過ぎたり

164. 虫の音の聞こゆる中に人々は笑い声ありうつむけるあり

165. 商いは店の灯りを撒き散らし今日も人々吸い寄せらるる

166. 盛んなる車の通り眺めれば町の暮らしの寂しさを知る

167. 働きて働き抜きて今日もまた終わらんとする店閉まるなり

168. 虫の音はすれども灯り並びたる通りの車急ぎ去りゆく

169. 人々の暮らしよきほどなるように光放てど憂き世そのまま

170. 世の中に仕組みありけり子供らは今日も夢見てたくましく行く

171. 商いの盛んにせらる通りにて我の暮らしは明るさを得る

172. 二人なる若人歩く眺めつつ我が身いつかは死せる思えり

173. 駅前に明るく灯り照り渡り乗り物の音響く秋の夜

174. 木立見て秋風揺らす葉はまだし艶やかなりて青き深しも

175. 足早に駅前よりぞ人去りて乗り物の音響き渡れる

176. 虫の音の響き渡れる広場にて女は一人腰掛けており

177. 草原に置物ありて下よりぞ妖しき光照り渡りたる

178. 見る先は灯りかすかに道にあり暗きあたりに人影もなし

179. 昼間には穏やかならざる空なりき今ふと見れば朧月見ゆ

180. 虫の音はひっきりなしに続いたり今宵の心いみじくも良し

181. 家の窓優しき灯り見えたれば心の痛みいつともなく消ゆ

182. 見渡せば闇夜の中に建物は寂しき光放ちたたずむ

183. 虫の音に囲まれながら明るけきあたり歩くも人は少なし

184. 大きなる通りに出れば速やかに車は走り去りて今なし

185. 雲間よりおぼろな月の明かりあり虫の音響く秋の夜長に

186. やむ間なく乗り物の音響きたり老いたる男よきに酔うらし

187. お店より溢るるばかり酔う人は外にて話弾むけらしも

188. 道端の灯りを見れば常なるに通りの人は今日を生きたり

189. 道沿いの木々の葉少し色付けば今更ながら秋が身に染む

190. 穏やかに虫の音聞こえ通りにて歩くに車速やかなこと

191. 今日もまた宴の店は賑やかに冷たき夜はさらに更けゆく

192. 闇夜なる川に響ける虫の音を聞くともなしに足の向くまま

193. 大きなる空に浮かべる雲見れば虫の音響く夜は悲しき

194. 我もまた死の時迎え消えゆくに空なる雲も明日にしもなき

195. 見上げれば長き乗り物入り来て音をさせつつ夜にまぶしも

196. 駅よりぞ大きなる音響く中一人の女うつむきしまま

197. 道沿いの木立灯りに照らされて風なきがゆえ揺れることなし

198. お店にて老いたる女一人して商いをして倦む顔もなし

199. 動きなく川辺の先の駅ありて遥けき空は殊に暗しも

200. 道行けば湯浴みの店の横過ぎて寒けき夜の町を眺める

201. 大きなる建物前の数々の灯りを見るも通る人なし

202. 見上げれば薄くたなびく雲あるも月見当たらぬ空の寂しさ

203. 車なく人もなきまま暗き道一人歩けば恐ろしやとも

204. 速やかに乗り物去りてその後の空の静けさ変わることなし

205. ただそこに光放てる箱あれば買う人もなくそのままにして

206. 道に沿い灯りを見ては空見てはそして聞こえたる車去る音

207. 道沿いの社の中の暗き見てやや身震いをしつつ先行く

208. 灯りのみ照りたる道の上見れば遥けき空に大いなる雲

209. 暗き中灯りかすかに照りたれば建物ありて我おどろけり

210. 建物の寂しき光差したればいみじくも空闇の深きぞ

211. 一人ただ闇夜の道を歩きつつだらしなき町さらに眺めて

212. 車去り人々歩く道にしも灯り我らを照らし続けり

213. かすみたる道に灯りはかすかにて人影動く寂しさぞある

214. 道端の灯りを見ては人ありて後ろ姿はやがて消えたり

215. 闇深き空は雲にぞ覆われる月の明かりは探せどもなし

216. はかなげに虫の音そばに聞こゆともしばらくすればその声はなし

217. 先見れば灯りかすかに照りたるに寂しき風は吹きて止まざる

218. 焼き鳥の店に煙は充ち満ちて明かりの淡き見れば悲しも

219. 雲もなき闇夜の空に星あれば道歩む足とどまりにけり

220. 激しかる風に揺れたる旗見れば明るき道も人はまばらぞ

221. 闇夜にも車の通り多ければ道行く人の声は聞き得ず

222. 空見れば幾つも星が輝けり風寒きほど身を過ぎて去る

223. 道行けば通りの車絶えなくに木の葉さざめく音ぞ聞き得ぬ

224. 見渡せば光に満つる町なれど寂しき夜はただ風の吹く

225. 家並ぶ道を歩めば大きなる影を踏みつつ風に吹かれて

226. 見上げれば日は空高く照りたるに地にて人々静けくも去る

227. 店出れば道行く車音立てて去りてその後風ぞ吹きたる

228. 道端の柱に揺れる旗見ては激しかる風止まぬけらしも

229. 激しかる風の音して人々は話すも声や聞くべからざる

230. 寒きほど風激しくも吹きたれば陽向に出でて温み求める

231. 古き店商いしたる眺めつつ道を曲がれば子供ありける

232. 遠くにて霞める雲の見えけるに去りて歩けば木々ぞありける

233. 道沿いに枯れ木幾つも並びけり風は激しく吹きて寒けし

234. 乾いたる道は光に溢れたり枯れ木の枝ぞ風に撓める

235. 暗き中お店の薄く光りつつ冷たき風は吹きて身を過ぎ

236. 大きなる道出てみれば通りたる車の光鮮やかに見ゆ

237. 建物の奥に明るき月見つつ雲なき空は星を宿せり

238. 道端の旗激しくもなびきては闇なる空の星眺めつつ

239. 脇見ると薄き光に包まれる駅のあたりも人まばらなり

240. 橋よりぞ川の流れを眺めては先を歩けば店の明るさ

241. 恐らくは家へと向かうらしき人遠くに消えて我は空見る

242. 店先に二人の人が話したる見つつも去れば道は静けし

243. 人あまた道過ぎゆくに見上げれば雲のかなたに日はかすみけり

244. まなびやを巡れる木々の間より球を追いつつ動く子らあり

245. 冬枯れの木々を透かして空見れば白くたなびく雲の静けさ

246. 家々を覆える空を見上げれば雲淡きなり人ぞ去りける

247. 空を見て道を曲がれば梅ありて花の数々咲き乱れけり

248. 道の端寄りては車過ぎゆくに親子の去るを眺めつつおり

249. 道端の竹の涼しさ眺めつつ夕日は西に沈まんとする

250. 大きなる乗り物前を去りゆけば橋より木々のしだれるを見る

251. 大きなる空を眺めて橋よりぞ町の人々せわしげなる見る

252. 乗り物は音をば立てて去りければ春の風吹く道に虫の音

253. 空の闇星はいくつか輝けり雲もなきまま肌過ぎる風

254. 道行けば虫の音聞きて見上ぐるに雲もなき空闇広がれり

255. まなびやに怪しき光ありつつも周りを巡る木々ぞ静けき

256. 春風は優しく肌を過ぎけるに道の灯りはまぶしくもあり

257. 道端に敷き詰められし花びらを踏むも惜しかる春の夜かな

258. 道端の灯りに浮かぶ桜花人々の足急ぎがちなり

259. 春の夜の優しき風の吹く中に明るき道の人の多さは

260. 道沿いの明るき店に人ありてふと見渡せば町は眠らず