初期短歌集



1. 見る先に若葉つけたる木々ありて日はぽかぽかと道に明るし

2. 青空に上るお日様前にしてまぶしいながら道にたたずむ

3. 家々の並ぶ先には桜花明るい道に猫は遊べり

4. 行く先にけぶれる桜ありにけり光の満ちるお昼寝の時

5. 道行けばとどろくばかり音のして車行くなり春の風吹く

6. 道広く日はたっぷりと降り注ぐ木々の連なり風に揺れつつ

7. 眠気出る日の暖かさ感じつつ車過ぎゆく人は道行く

8. ぽつぽつと青白く咲く花のうちに蜜蜂の舞う春は忙し

9. 暖かき日差しまぶしく照らされて道を歩けば春は楽しき

10. 暖かき穏やかな朝道行けば花あり虫あり春は来にけり

11. やわらかき若葉つけたる木のありて春めく朝のそよ風涼し

12. 桃色に花をつけたる木のありて眺むればよしやわらかき空

13. 風強く曇りがちなる空のもと明るく一つ咲く花のあり

14. 見渡せば車びっしり止まる場に日差したっぷり注ぐ朝方

15. 広き道あまたの車走り過ぐ光ぽかぽかひたすらに差す

16. 眺むれば木々に飛び交う鳥たちよ淡く見えたる花は桃色

17. 見渡せば木々立ち並ぶ道に沿い子犬を連れる人ありにけり

18. 脇見れば紫色に咲く花を見つけながらに日の降り注ぐ

19. 道行けば溢れんばかり日を浴びて眠たき昼の街中ゆるり

20. 本を読むおじさんのあり先見れば車の通り今頻りなり

21. 建物に囲まれながら白く咲く花見ておれば車過ぎゆく

22. ゆっくりと橋の上から川見れば木の枝垂れて鳥の飛び交う

23. お日さまのぬくもり感じたたずめば鳩降り立ちて我を窺う

24. 見渡せば日に照らされる木々ありてまばらに人は道を過ぎゆく

25. 鮮やかに紫色に咲き誇る花々やよし寒き頃合い

26. 葉の中に浮かび上がれる花々よとくと見入れば心楽しき 

27. 赤に白に咲き誇ったる梅の木にめじろ飛び交う鳴き声少し

28. 見上げれば雲一つない青空にお日さまの照るぬくしこの朝

29. 知り合いと食べては飲んで話してはうたて今宵は楽しげに見ゆ 

30. 夜空には雲たなびいて星々と浮かぶ三日月静かなりけり

31. 風強くざわめき合える桜花遠くを見れば雲や建物

32. 道行けば至るところで草や木の緑新し春の日の昼

33. 白や黄の花見ておれば一人ただ日差しを浴びて風は吹き過ぐ

34. うららかな日差し浴びつつ風強し柳の下には影の揺らめく

35. 眺むれば青空の日のうららかに照りて明るし風は強きも

36. 妖しくも明かりに照らされ桜花宴の酒を共に楽しむ

37. 散り染むる桜の花びら美しく今年は今日で見納めならん

38. 高らかに一つ生えたる木の花にそよ風の吹く春の昼時

39. そびえ立つ建物見れば道にある小さき草は可愛きものなり

40. 美しく乱れて咲ける桜かな人の心はいかなるものか

41. 寒空にぽっかりとあるお日さまに照らされて咲く桜花あり

42. こんもりと緑の木々が立ち並ぶ冷たい風に揺られながらに

43. ぽちぽちと黄色く咲ける菜の花に緑の草が淡い感じで

44. 空高く日の輝けるその下で紅色に咲く花のありけり 

45. 日の光眩しいながら背に浴びて橋を渡れば青空の見ゆ

46. 道急ぐ車を横に見ていればどこそことなく鳥の声聞く

47. 寒空を鳥群なして飛び行けば日陰の道を車過ぎ行く 

48. 道に沿い家立ち並ぶ先見れば風に揺らめく白き旗あり 

49. 大きなる店に入れる車あり空の彼方に雲は浮かべり 

50. 商いを営む店の脇過ぎて夕日眩しき空を見上ぐる 

51. 物凄き音を立てつつ乗り物の過ぎゆく前で人の影伸ぶ 

52. 幾つもの白き建物立つ横を夕日の光美しく映ゆ 

53. 頬掠む風切りながら歩くなり夕日の光空に明るし 

54. 古びたる建物見ても人はなく静けき中に風やみにけり 

55. 白き雲ただ浮かびたるその空に沈める夕日見れば悲しも 

56. 坂道を下りながらに風を切り見上ぐる先で夕日輝く 

57. 並び立つ枯れ木の先に夕日あり空を照らして沈みゆくなり 

58. 空見れば夕日沈みてあたりではやや暗くなり店は明るし 

59. 見渡せば遠くに霞む建物の赤さ際立つ春の夕暮れ 

60. 朝日照る坂より先を眺むれば車せわしき道に人あり 

61. 花びらに敷き詰められし道に沿い所狭しと家立ち並ぶ 

62. 建物の立ち並びたる道沿いに風に揺らめく旗は赤くて 

63. 朝日照る緑の木々に影伸びて側を過ぎゆく人あまたあり 

64. 眺むれば車過ぎゆく道に沿い風に揺れたる若葉新し 

65. 脇見れば日に照らされし広場にて萌えいづる草の緑優しき 

66. 風吹けば木々の葉揺れて空高い日は道照らす春の温かさ 

67. 道に伸ぶ影を歩いて見上げれば雲一つなき空は広くて 

68. 誰もいない広場に木々は生い茂り風に揺れたる葉は鮮やかで 

69. 車過ぐ道を挟んで生い茂る若葉淡くて風は優しき 

70. 道走る車見やりて日差し受く背は温かく汗をかきたる 

71. 人もなき建物黒く汚れたる寂しき眺め見る人はなし 

72. 川辺にて緑の木々は生い茂り水の流れる音ぞ小さき 

73. 風吹くに店先に立つ旗揺れて買い物済ましその場去る人 

74. 家々の日陰になれる道行けば風の過ぎゆくこの身涼しき 

75. 赤色に色付きておる葉は風を受けて揺れたるやむことのなく 

76. 日差し受く学びや前に木は茂り淡き緑の葉は揺らめけり 

77. 日向にて明るき道を歩きたる人々の髪風になびけり 

78. 話したる若人群れて行く先に風に揺れたる旗は青くて 

79. 日は照りて輝く木の葉見ていれば風に揺れたる音の少しす 

80. 川辺にて水のさざ波見ておれば肌を過ぎゆく風の涼しき 

81. 日の差して明るく光る草花は吹く風受けて揺れて音なし 

82. 道通る車の窓は日に光り音を残して脇を過ぎゆく 

83. 大きなる置物ありて見上げれば音立てて過ぐ乗り物の見ゆ 

84. 道に伸ぶ日陰を過ぎて歩きつつ日に明るけき花は見えけり 

85. 行く道に人なき車止まりては空高く照る日は温かき 

86. 道沿いに大和の旗の揺らめきて身軽に側を過ぎる鳥あり 

87. 道に沿い古き社を見ておれば過ぎゆく車光放てり 

88. 連なれる木々に吹く風強きほど身の涼しさは心地よきなり 

89. 連なりて道に止まれるいくつかの黒き車に日の光照る 

90. 日の当たる白き建物脇にして車は道を走り去るなり 

91. 道歩き去りゆく人に吹く風は髪をなびかせ木々を揺らせり 

92. 吹く風に花びら舞いて人々の歩く先には日の光差す 

93. 吹く風に強く揺れたる花々の香り漂う道の脇にて 

94. 日の当たる学びや白く明るきに大和の旗は風に揺れたる 

95. 大きなる木々の葉揺れる後ろにて分厚き雲の空を覆える 


96. 美しきさざ波川面に照り映えて親子道行く梅雨空の下

97. もくもくと空に群がる白い雲風は涼しく木々は目によし

98. 鳴き声に誘われてふと上見れば屋根越しに見ゆ青空の雲

99. 降り注ぐ日を避けながら歩くなり汗ふく肌に風は涼しき

100. 大いなる建物群れる街中に人の装いまた新たなり

101. 涼しげに緑葉風に揺れながら道を歩けば犬に吠えらる

102. 木漏れ日に照らされながら道行けば緑の木々は風にざわめく

103. やわらかな青葉は風に揺れながら暖かな日を浴びて道行く

104. 風強く緑の草木揺れつつもうららかに照る日差し眩しき

105. 見渡せば光る緑に囲まれて春の過ぎ去り夏来たるかも

106. 木々の葉の見渡す限り風に揺れ目覚めるばかり緑新し

107. うら高き建物続く街並みにそよ風涼し夏の日の頃

108. 坂道に降り注ぎたる日の光汗ばむくらい暑き頃合い

109. 建物の右に左に立ち並び空の水色隠れるばかり

110. 青空に光輝くお日さまを見つめながらものどけき日かな

111. 夏の日の暑き盛りの日陰にてそよ風涼し車過ぎ去る

112. 建物の上には青空広がれり日の降り注ぐ夏の盛りに 

113. 建物に挟まれてある日陰にて人波は行く風心地よし 

114. 地に注ぐ日差しを背にて歩く人働ける人夏盛りなり 

115. 汗を拭く老い人のあり道行けば日陰に憩う人あまたあり 

116. たたずめば車頻りに走り過ぐ鳥舞い降りる木々は明るし  

117. 注ぐ日に汗して歩く道すがら家の影にて遊ぶ子供ら 

118. 照る光浴びて道行く人々に緑の木々は強く明るし 

119. 青空のお日様雲に覆われて道は日陰になりて涼しき 

120. 木々に鳴く蝉の鳴き声ひたすらに聞こえて暑し汗のふく肌

121. 嵐来て風にざわめく木々の下髪かき分けて歩く人々

122. 祭りから一夜を明けし昼過ぎに店の片付け汗をかく人

123. 雨やみて風吹きすさぶ昼過ぎに蝉の鳴く音は盛りなりけり

124. 薄暗き木々の間を抜け出れば人々傘を差して道行く

125. 道広く人の行き来はまばらにて緑の田畑は雨にしおれる

126. 草むらの緑に染まる河辺には風の音して橋渡る人

127. 風吹いて店先の旗揺らめいて人々道を歩く静けさ

128. 静かなる店先に立つ旗揺れて人も車も道急ぐらし 

129. 建物は空を隠さんばかりにて脇を過ぎゆく人の小さき 

130. 坂道を下りながらに人々とすれ違うなり花匂うなり 

131. 建物の連なり立てる道沿いに今や飛び立つ鳥の美し 

132. 傘差して子供群れたる広場にて木々に咲いたる花はさやけし 

133. 植え込みに挟まれながら坂道を下りて傘に雨音を聞く 

134. 建物の立ちたる前に連なりて止まれる車雨に打たれる 

135. 道沿いを傘差す人の行き交うに並べる木々の葉から雨粒 

136. この闇に光を放つお店には風に揺れたる旗のありけり 

137. 店並ぶ闇夜の道を犬連れて親子共々帰り急げり 

138. 蒸し暑き夏の夜1人歩けるに猫飛び出して闇に消えたり

139. 暗闇に囲まれながら虫の音を聞くにも車音立てて過ぐ 

140. 草原を通り過ぎれば橋ありて登りて降りて闇の中にて 

141. 薄暗き夜道を行くに汗のふく肌にそよ風吹けば涼しも 

142. お茶飲みて人のまばらな道行くに脇過ぐ車光まぶしき 

143. 大きなる音立てて過ぐ乗り物を見やりてお茶を飲み干しにけり 

144. 坂道に闇夜の空を見上げれば朧月あり見続けたるなり 

145. 生ぬるき風に揺れたる旗見れば店の光に赤の際立つ 

146. 手をつなぐ男と女前を過ぐ笑顔を見せて闇に消えたる 

147. 遠くにてカラス鳴く声聞きながら群れたる鳥の飛び立つを見る 

148. 岸辺にて鳥戯れる眺めれば雲間より差す朝日嬉しき 

149. 梢より鳥の降り立つ道端に女の人は走り去るなり 

150. そよ風に揺れたる木々の道沿いを犬を連れたる人の過ぎ去る 

151. 車去る道を渡りて見上げれば雲間に覗く朝日まぶしき 

152. 遠くにて蝉の鳴き声聞こえけり暑さ和らぐ夏の朝なり 

153. 鳴き声を残して飛び去る鳥のあり朝日は雲に隠れて暗し 

154. 道沿いに光灯るも暗き故飛び出す猫はおぼろげに見ゆ

155. 風吹けば闇夜の道は涼しきに虫の音聞こゆさらに涼しき

156. 遠くより命を絞る蝉の声聞こゆる宵の風は涼しき

157. 虫の音は車の音に消されるもまた聞こえ出す止むことはなき

158. 商いの最中の店を横切るに道の灯りはあれども暗し

159. 道沿いに闇夜の花を見て去れば並びて灯る灯り寂しき

160. 脇見れば駅の灯りはまぶしきにまっすぐ歩く道の寂しさ

161. 虫の音に涼しき風に空の雲真夏の夜に楽しみはあり

162. 駅近き店の灯りはまぶしきに小道の家は暗く寂しき

163. 虫の音は止むことのなく聞こえるに闇夜の草は風に揺れつつ


164. 足元に落ち葉踏みつつ道行けばのどかに聞こゆ鳥たちの声

165. 赤に黄に緑も混じる木々ながら日差しに光り風にざわめく

166. 並び立つ木々は日差しを浴びながら見渡す限りもみじしにけり

167. 鈴虫の鳴くに任せてコスモスの赤白桃と咲き誇りたり 

168. まだ強き日差し浴びつつ道行けば秋らしく鳴く鈴虫のあり

169. 風通る木々のざわめき聞きながら見渡す限り曇り空なり

170. 暮れなずむ空には月がぽっかりと人は家路を急ぐ静けさ

171. 静静と流れる小川は涼しげに赤トンボ飛ぶ憩うかのよう

172. ひんやりとそよ風肌にあたりつつ暮れなんとする空の静けさ

173. 大いなる雲たなびきて夕暮れの淡き光は空を照らせり

174. 車行く道を挟んで立つ店に夕暮れ時の灯りほのかに

175. 道走る車ありけり道端を歩ける人もまたありにけり

176. 暮れていく町中歩く人ありて止まる車の光明るし

177. 日の落ちる空には光微かにて人は帰りを急ぐせわしさ

178. 道を行く車の灯りまぶしくて暗くなりゆく道歩く人

179. 心地良き風に当たりて歩くなり暮れゆく空に雲の一むら

180. 虫の音を耳にしながら歩きつつ見上げる空に切れ切れの雲

181. 鳥の群れ頻りに鳴いて地に降りて羽ばたく姿空に美し

182. 曙の光輝く空見ては雲の一筋群れて舞う鳥

183. 古き歌口ずさんでは鳥たちの驚き飛んで朝焼けの空 

184. 道行けば背中日差しに暖かく嵐過ぎ去る空はさやけし

185. うららかに照る日の空の下にてはこの身くつろぐそよ風やよき

186. そよ風に揺れる枯れ木の梢より先を見つれば人あまたおる

187. 穏やかに浮かぶ雲見て青空の日は明るけし鳥は舞うなり

188. 賑やかなお店集まる通り行くあまたの人を目の前に見て

189. 若き人通り歩ける先見れば雲の浮かべる空は遥けし

190. 雲間より眩しきばかり日は照りて風少なくて肌はぬくきも

191. さらり吹く風に揺られる枯れ木見て空はさやかに雲一つなし 

192. 日陰にて頻りに吹ける風にしも当たりてばかり体冷え切る 

193. 道歩く老いも若きもありにけり秋の青空澄み渡りけり 

194. 空高く照るお日様の日を浴びて風は吹けどもぬくき体ぞ 

195. 睦まじき老い人二人歩くなり脇に親子のありて子は泣く 

196. 飛ぶ虫を横目に見つつ道行けばうららかな日に体ぬくきも 

197. 飲み物を楽しみながらそよ風に身を任せつつ過ごす静けさ 

198. 暮れてゆく空は染まりて人々の家へと帰る足取り軽し 

199. 夕暮れの道中走る車より放つ灯りは鮮やかに見ゆ 

200. せわしげに走り回れる車あり暮れゆく道を歩く人あり 

201. 鳥群れて止まれる木々は色付きて風に揺れつつ落ち葉ありけり 

202. 日の落ちて暗くなりゆく道端に鮮やかに照る店に人あり 

203. 赤子泣く声遠くから聞こえては寒さ身にしむ秋の夜の頃 

204. 腕振って坂走りゆく男ありその先にある灯り寂しも 

205. 学びやは恐ろしげなる闇湛え道のせわしさ知らぬものなり 

206. 見上げれば遥けき空に雲かかり地に立つ人やまこと小さき 

207. 闇破る灯りに見える花ありて見れば美し白を湛える 

208. 人けなき店寂しげにありながら道を走れる車や多き 

209. もみじ葉の木に囲まれて子供らは広場を走る秋終わるかも 

210. 西見れば夕日の光みなぎりて東を向けば暗き空なり 

211. 家々の軒を並べて立てる上を雲厚き空広がりにけり 

212. 鮮やかに咲き誇りたるコスモスにのどけき光ひたすらに落つ

213. 灯り照る木立は風にやや揺れて駅に乗り物近付ける夜

214. 虫の音の聞こゆる道を人々は歩いて空は闇の広がる

215. 灯り差す柱の脇の木の影を寂しき風は吹いて揺らせる

216. 歩きつつ家の明かりは道々に見えて虫の音止むことのなき

217. 小道にて闇夜の花は静けきにそよ風の吹くひたすらにただ

218. 薄暗い道に遊べる子供らは楽しき夜を何思うなく

219. 闇深き夜に働く男には家の明かりはひどく明るき

220. 止みがたき虫の音聞きて見上ぐるに光放てる建物の見ゆ

221. 闇深き小川流れる音のして橋を渡れば駅の明るさ

222. お店にて宴の声は漏れ出でてさらに虫の音止みがたき夜

223. 道走る車の光まぶしきに側に明るき店は静けし

224. 孕みたる女の人は犬連れて脇を過ぎ行く車何なく

225. 仕事場に静けき光照り渡り人影もなくただに明るし

226. 側を過ぎ去り行く人を見ればなお空に広がる雲は大きく

227. 側走る車の数は多くともどこぞと耳に届く虫の音

228. お店にて夕餉とりたる人達は窓越しに見ゆ脇を通れば

229. 車入るお店の人は声出すも揺れたる旗はただひたすらに

230. 左折れ虫の音ばかりの道行くに闇夜の木々は揺れることなし

231. 家々の窓より漏れる灯りにははかなき色と静けさがあり

232. 虫の音の止むことなきにお店にて飽かず本読む人二三あり

233. 道中の車は走り去りゆけば朝日の空は殊にさやけし

234. どこぞより小鳥の声は聞こえけりさやけき風の肌を過ぎゆく

235. 白き雲広がる空は日が昇り地を照らしゆく麗しき朝

236. 建物は空を覆えるばかりにて朝の秋風目は醒めてゆく

237. 風もなき草木の茂る道ゆけば少し聞こゆる虫の音のあり

238. 道端に少しばかりの花あるに子供並びてその場去りゆく

239. 大空に舞う鳥見れば今日もなお朝日は昇り我ら照らせる

240. 建物の立つ後ろにて青空は雲一つなく秋風ぞ吹く

241. 身を過ぎる涼しき風に木々の葉は揺られ揺られて青空の下

242. 家々は静けき中でひたすらに日の光にて殊に明るし

243. 道沿いにまっすぐ並ぶ木々の葉は風に激しく揺られけるかな

244. 強く風吹きさらしたる木々の葉はさらさらと音立てて揺れたり

245. 風吹くに小川の水はせせらぎて日は降り注ぐ昼近き道

246. 川岸の小石踏み分け歩けるに風吹き過ぎて草花は鳴く
 
247. 道端に一人働く人ありて日陰の木々はもみじしたるに

248. 一筋の雲たなびける空見ては日向の道に車行き交い

249. 鳥鳴きて木々を飛び交うその上に雲広がれり青き空かな

250. 空を飛ぶ鳥去りゆけば広場にて静けき風は木の葉揺らせり

251. 大空を群れたる鳥の去りゆけば地にて歩ける人は静けし



252. 寂しげに立ち並びたる木々ながらいつしか花で満てば良きなり

253. 氷張る池の側にてたたずめば冷たい風に体冷え切る

254. 降りしきる雪の只中道行けば遠くにかすむ高き建物

255. 見渡せば雪白々と降り続き行き交う人も急ぎがちなり

256. 眺むれば周りに雪は降りしきり葉のない木々は寂しげに見ゆ

257. 並び立つ木立を遠くに眺むれば雪降りしきる白さひときわ

258. 通りには葉落ちかけた木々並び歩けば寒し冬の朝方

259. 見渡せば色とりどりの木々並び落ち葉美し寒き朝方

260. ほの暗き道には人もまばらにて寒さ身にしむ冬の朝かな

261. 小道にて枯れ木いくつも並びおる葉は色付きて寂し冬やも 

262. 車行く道を挟んで商いを営む人にそよ風は吹く 

263. 道沿いに連なり立てる店ありて昼餉とる人肩を寄せ合う 

264. 大きなる建物並ぶ後ろには雲一つない青空の見ゆ 

265. 年の瀬のせわしき頃に道行くも人も車も常と変わらず 

266. お飾りを付けたる店を通り過ぐ年の瀬せわし日は眩しくて 

267. 店閉まる寂しき通り行きつつも車はせわしあちらこちらに 

268. 青空を後ろに見つつ道沿いに枯れ木が一つ強く立つなり 

269. 見渡せば澄み渡りたる青空に大きなる雲限りなくよし 

270. 空見れば遥けき雲に照り返す日は明るけし風冴え渡る 

271. 風吹いて枯れ木の揺れる先見れば青空広し車道過ぐ 

272. 原っぱに風吹き荒ぶ道すがら枯れ木並びて枝を広げる

273. 風吹いて店に立つ旗揺らめけば日向の道に人の影伸ぶ

274. 見上げれば一筋の雲空にありて輝ける日は強く明るし

275. 商いを営む店に人ありて日の照り返す窓や眩しき 

276. まっすぐに降りて飛び去る鳥あれば白き建物日に明るけし 

277. 紅色の上着を着たる人ありて静けき道は光満つなり 

278. 坂道を下る先には走り過ぐ車の見えて人は行き交う 

279. 音立てて長き乗り物走り過ぎ道には女一人うつむく 

280. 道沿いに並びて灯る灯り見て冬の寂しさいや増しにけり

281. 見上げれば乗り物過ぎる音のして道の灯りは辺り照らせり

282. 道急ぐ車は辺り騒がすに若きは側を寄り添いて過ぐ

283. 灯り見て暗き道行く寂しさはいや増しにけり空に星あり

284. 見上げれば暗がりの空雲はなし若きは静けく話しており

285. 大きなる木を照らしたる灯りかな家出る男やがて消えたり

286. 星々の空に見えたる夜更けにも行き交う人は急ぎがちなり

287. 気が付けば遠ざかりゆく男見て道の灯りはただに寂しき

288. 暗がりの静けき道を抜け出れば車行き交う音の寂しさ

289. 商いを終えたる店の隙間より光漏れ出る夜目に眩しき

290. 道渡る人は静けく去りゆけば暗き夜空の広さいみじき

291. 道に立つ柱の灯り光りては人通りなし寒き冬の夜

292. 道行けば怪しく光る文字ありて店の明るき目を刺すがごと

293. 道沿いの暗き学びや見るや否や灯りの寂しさ殊にいみじき

294. 空見れば星々煌めき雲はなし人無き道の灯り辺りに

295. 遠くにて危うき音の聞こゆるに病や怪我や知る由もなし

296. 人二人並んで脇を過ぎゆくに道の車の動き素早し

297. 建物の灯り見えたるところより星なき暗き空は広がる

298. 空飛べる乗り物赤く光りては広き夜空の下に立つ家

299. 目の前に長き乗り物過ぎゆけば辺り彩る灯り数々

300. 遠くにて明るく光る建物の並び並びて空刺すがごと